2013年09月29日
<みずほ銀>旧3行けん制、責任あいまい 組員に融資で
<みずほ銀>旧3行けん制、責任あいまい 組員に融資で
みずほ銀行本店
みずほ銀行が暴力団員らへの融資を知りながら2年以上、放置していた問題が発覚し、金融庁が業務改善命令を出した。背景には暴力団排除に対する認識の甘さに加え、経営統合前の旧3行意識が残るみずほの企業風土もある。みずほフィナンシャルグループ(FG)の傘下2行合併などの改革がどこまで実を結ぶかが問われる。みずほは事態を重く見て担当役員らの社内処分を検討中だ。
【問題となった自動車提携ローンの仕組み】
「不祥事はまたみずほか」(大手行幹部)。金融界ではみずほにあきれた反応が広がる。問題となったのはグループの信販会社オリエントコーポレーション(オリコ)などを介した「提携ローン」。みずほは2010年12月に暴力団員などへの融資計230件、総額2億円超を把握していた。ところが「新規の融資を断る」との対応にとどまり、契約解消など根本対策に踏み込まなかった。担当役員は「対応済み」と認識し、経営トップにも報告しなかった。
旧第一勧業、富士、日本興業の3行合併により誕生したみずほは、旧3行のバランスに配慮した人事が横行。「旧3行が互いをけん制するあまり経営責任があいまいになりがち」(別の大手行幹部)なほか、迅速な意思決定ができない企業風土も問題視されてきた。問題の融資が明らかになった10年末、オリコは旧第一勧銀出身者が社長で、みずほ銀頭取は旧富士銀出身者、みずほ銀の法令順守担当役員は旧興銀出身者だった。こうした配置が抜本対応を遅らせた可能性もある。
みずほFGは11年3月の2度目の大規模システム障害を受け、大企業向けの旧みずほコーポレート銀と中小企業、個人向けの旧みずほ銀を今年7月に合併。FGの佐藤康博社長がみずほ銀の頭取を兼ねる「ワントップ体制」を敷いたが、こうした銀行の一体化を狙った改革の成果が今後問われることになる。
問題の提携ローンは、顧客が自動車などを分割払いで購入する場合の審査を信販会社が行い、融資契約は顧客とみずほ銀が結ぶ。仮に顧客が返済できなくなった場合でも、信販会社が顧客の代わりに返済する「保証」をつけるため、銀行はリスクゼロで融資を拡大できる。提携ローン自体は、ほかの金融機関でも行っている一般的な仕組みだが、「審査は信販会社任せにせず、自行でチェックして反社会勢力には貸さない」(大手行)との指摘もある。みずほ銀も、信販会社と情報共有して審査するなどの対応策を検討している。
みずほ銀行本店
みずほ銀行が暴力団員らへの融資を知りながら2年以上、放置していた問題が発覚し、金融庁が業務改善命令を出した。背景には暴力団排除に対する認識の甘さに加え、経営統合前の旧3行意識が残るみずほの企業風土もある。みずほフィナンシャルグループ(FG)の傘下2行合併などの改革がどこまで実を結ぶかが問われる。みずほは事態を重く見て担当役員らの社内処分を検討中だ。
【問題となった自動車提携ローンの仕組み】
「不祥事はまたみずほか」(大手行幹部)。金融界ではみずほにあきれた反応が広がる。問題となったのはグループの信販会社オリエントコーポレーション(オリコ)などを介した「提携ローン」。みずほは2010年12月に暴力団員などへの融資計230件、総額2億円超を把握していた。ところが「新規の融資を断る」との対応にとどまり、契約解消など根本対策に踏み込まなかった。担当役員は「対応済み」と認識し、経営トップにも報告しなかった。
旧第一勧業、富士、日本興業の3行合併により誕生したみずほは、旧3行のバランスに配慮した人事が横行。「旧3行が互いをけん制するあまり経営責任があいまいになりがち」(別の大手行幹部)なほか、迅速な意思決定ができない企業風土も問題視されてきた。問題の融資が明らかになった10年末、オリコは旧第一勧銀出身者が社長で、みずほ銀頭取は旧富士銀出身者、みずほ銀の法令順守担当役員は旧興銀出身者だった。こうした配置が抜本対応を遅らせた可能性もある。
みずほFGは11年3月の2度目の大規模システム障害を受け、大企業向けの旧みずほコーポレート銀と中小企業、個人向けの旧みずほ銀を今年7月に合併。FGの佐藤康博社長がみずほ銀の頭取を兼ねる「ワントップ体制」を敷いたが、こうした銀行の一体化を狙った改革の成果が今後問われることになる。
問題の提携ローンは、顧客が自動車などを分割払いで購入する場合の審査を信販会社が行い、融資契約は顧客とみずほ銀が結ぶ。仮に顧客が返済できなくなった場合でも、信販会社が顧客の代わりに返済する「保証」をつけるため、銀行はリスクゼロで融資を拡大できる。提携ローン自体は、ほかの金融機関でも行っている一般的な仕組みだが、「審査は信販会社任せにせず、自行でチェックして反社会勢力には貸さない」(大手行)との指摘もある。みずほ銀も、信販会社と情報共有して審査するなどの対応策を検討している。
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10:53
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2013年09月24日
「したたかさ」試される日本…TPP予断許さず
「したたかさ」試される日本…TPP予断許さず
首席交渉官会合後に記者会見する鶴岡公二首席交渉官(ワシントン市内のホテルで)
ワシントンで21日まで開かれた環太平洋経済連携協定(TPP)の首席交渉官会合は、年内の交渉妥結に向けて10月の閣僚・首脳会合のお膳立てをすることが目的だった。
しかし、かえって歩み寄りの難しさも浮き彫りになるなど、交渉の行方は予断を許さない。
◆「政治決断」も
「この課題は明日までに解決を」「こちらは来週までに」。首席交渉官会合は初日の18日から、時にはわずか30分で一つの分野を終えるなど、精力的に議論を進めた。ただし対立が少ない分野から取り上げていったため、後半になるにつれて進行は遅れ、予定の分野をこなし切れない日が続いた。
例えば、難航分野の一つである「知的財産」を巡っては、特許権などの保護を強化したい米国と、新しい技術を安く導入したい新興国の対立は根深いままだ。交渉官の間では、年内の妥結を優先するなら交渉の範囲を見直し、確実に合意できるものに限るよう各国の首脳・閣僚に政治決断を求めざるを得ない、といった見方も浮上している。
交渉筋が調整している10月の首脳会合の合意文書は、8月時点の素案ではTPPの「実質合意」という意欲的な表現を盛り込んだ。それが最近では「大きな節目(マイルストーン)」になったとの指摘にとどめる案がでている。10月の閣僚・首脳会合でどこまで実のある合意をまとめられるか、不透明感が強まっている。
◆焦る米国
「もう長い間議論してきた。そろそろまとめよう」。首席交渉官会合2日目の19日、会場となった米通商代表部(USTR)の会議室に突然、米国の担当閣僚であるフロマン通商代表が姿を現し、こう呼びかけた。3年以上にわたる交渉に業を煮やし、妥結を急ぐ米国の本音だった。
米国の政治は4年に1度の大統領選挙と、その折り返し点の中間選挙という、2年ごとの国政選挙を中心に回っている。来年行われる中間選挙では、すべての下院議員と上院議員の3分の1が改選される。
政権与党が最も気にかけるのは、国民の政治への満足度に直結する雇用の動向だ。オバマ大統領は19日の演説で、「輸出が10億ドル(約990億円)増えるごとに米国内で5000人の雇用が生まれる」と述べ、輸出増の原動力としてTPPの妥結を急ぐ考えを強調した。
◆日本の戦略は
しかし、米国が妥結を急げば急ぐほど、とりわけ米国と対立点の多い新興国などに足元をみられ、先延ばし戦術に出られたり、米国が妥協を迫られたりする可能性もある。
米経済界からは、米政府が選挙前に形ばかりの「合意」を急ぐことへの警戒感も出始めている。首席交渉官会合の開催中には、米国の輸出関連産業などの団体が各国の交渉官に書簡を送り、「中身の濃い合意に向けた努力」を求めた。
日本は今回、先進工業国として米国と共闘できる分野がある一方、国内の市場開放では米国から圧力を受けてもいる。米国内の事情も踏まえ、日本はどれだけしたたかに立ち回り、有利な成果を勝ち取ることができるかが問われる。(ワシントン 広瀬英治、安江邦彦)
首席交渉官会合後に記者会見する鶴岡公二首席交渉官(ワシントン市内のホテルで)
ワシントンで21日まで開かれた環太平洋経済連携協定(TPP)の首席交渉官会合は、年内の交渉妥結に向けて10月の閣僚・首脳会合のお膳立てをすることが目的だった。
しかし、かえって歩み寄りの難しさも浮き彫りになるなど、交渉の行方は予断を許さない。
◆「政治決断」も
「この課題は明日までに解決を」「こちらは来週までに」。首席交渉官会合は初日の18日から、時にはわずか30分で一つの分野を終えるなど、精力的に議論を進めた。ただし対立が少ない分野から取り上げていったため、後半になるにつれて進行は遅れ、予定の分野をこなし切れない日が続いた。
例えば、難航分野の一つである「知的財産」を巡っては、特許権などの保護を強化したい米国と、新しい技術を安く導入したい新興国の対立は根深いままだ。交渉官の間では、年内の妥結を優先するなら交渉の範囲を見直し、確実に合意できるものに限るよう各国の首脳・閣僚に政治決断を求めざるを得ない、といった見方も浮上している。
交渉筋が調整している10月の首脳会合の合意文書は、8月時点の素案ではTPPの「実質合意」という意欲的な表現を盛り込んだ。それが最近では「大きな節目(マイルストーン)」になったとの指摘にとどめる案がでている。10月の閣僚・首脳会合でどこまで実のある合意をまとめられるか、不透明感が強まっている。
◆焦る米国
「もう長い間議論してきた。そろそろまとめよう」。首席交渉官会合2日目の19日、会場となった米通商代表部(USTR)の会議室に突然、米国の担当閣僚であるフロマン通商代表が姿を現し、こう呼びかけた。3年以上にわたる交渉に業を煮やし、妥結を急ぐ米国の本音だった。
米国の政治は4年に1度の大統領選挙と、その折り返し点の中間選挙という、2年ごとの国政選挙を中心に回っている。来年行われる中間選挙では、すべての下院議員と上院議員の3分の1が改選される。
政権与党が最も気にかけるのは、国民の政治への満足度に直結する雇用の動向だ。オバマ大統領は19日の演説で、「輸出が10億ドル(約990億円)増えるごとに米国内で5000人の雇用が生まれる」と述べ、輸出増の原動力としてTPPの妥結を急ぐ考えを強調した。
◆日本の戦略は
しかし、米国が妥結を急げば急ぐほど、とりわけ米国と対立点の多い新興国などに足元をみられ、先延ばし戦術に出られたり、米国が妥協を迫られたりする可能性もある。
米経済界からは、米政府が選挙前に形ばかりの「合意」を急ぐことへの警戒感も出始めている。首席交渉官会合の開催中には、米国の輸出関連産業などの団体が各国の交渉官に書簡を送り、「中身の濃い合意に向けた努力」を求めた。
日本は今回、先進工業国として米国と共闘できる分野がある一方、国内の市場開放では米国から圧力を受けてもいる。米国内の事情も踏まえ、日本はどれだけしたたかに立ち回り、有利な成果を勝ち取ることができるかが問われる。(ワシントン 広瀬英治、安江邦彦)
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10:34
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2013年09月16日
iPhoneビジネス、転換の2つの理由
本連載は、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン(GAFA)に関するトピックを毎週採り上げながら、米国・シリコンバレーを中心とするIT事情を定点観測的にお伝えしていく。今回はアップル。9月10日にカリフォルニア州・クパティーノの本社で行われたプレスイベントで、新型iPhoneを発表した。大方の噂や予想通りの端末の登場だったが、明確な変化が2つある。
■ 失望の原因は、iPhone以外にある
アップルは米国西海岸9月10日に、同社のキャンパス内にあるタウンホールでiPhone 5s、iPhone 5cを発表した。みなさんはどのように受け止めただろうか。
米国ではテクノロジーのコミュニティから「驚きがなかった」という声が上がり、ウォール街の反応もネガティブ。発表からアップルの株価は6%ほど下落した。
市場には、「噂で買って、事実で売る」という言葉がある。1年前700ドル以上だった株価が7月までに390ドルで底打ちし、500ドルまで戻してきたところで、今回の発表を迎えた。チャートを見る限りでは失望売りというよりは、単なる利益確定売りと見て良いだろう。
ウォール街や中国は、値段を抑えたiPhone 5cが2年契約を前提に99ドルだったことに対して「高い」と指摘し、iPhone 5cの「c」は「チープ」(Cheap)ではなかったのかとの声も聞かれる。中国市場攻略は、アップルのシェアを大幅に伸ばす数少ない手段だったこともあり、より踏み込んだ、戦略的な低価格モデルを期待していたに違いない。
おそらく来年にはiPhone 5cが2年契約で0円になるとは思うが、アップルが単なる安物を進んで作りたがる企業でないことは衆知の通りだ。それは、iPhone 5cのポリカーボネイトのボディを触れた瞬間に、金属製で性能の高いiPhone 5sと悩むほどの質感を出していることでも分かるだろう。
またテックコミュニティの求める「驚き」の多くの成分は、iPhoneに向けられているものではないことも付け加えるべきだ。噂される「iWatch」など、これまでとは全く違う製品への期待に対して、今回はiPhoneが登場しただけだったことが原因だ。失望がiPhoneそのものに直接向けられているわけではないように思える。
■ 失望の原因は、iPhone以外にある
アップルは米国西海岸9月10日に、同社のキャンパス内にあるタウンホールでiPhone 5s、iPhone 5cを発表した。みなさんはどのように受け止めただろうか。
米国ではテクノロジーのコミュニティから「驚きがなかった」という声が上がり、ウォール街の反応もネガティブ。発表からアップルの株価は6%ほど下落した。
市場には、「噂で買って、事実で売る」という言葉がある。1年前700ドル以上だった株価が7月までに390ドルで底打ちし、500ドルまで戻してきたところで、今回の発表を迎えた。チャートを見る限りでは失望売りというよりは、単なる利益確定売りと見て良いだろう。
ウォール街や中国は、値段を抑えたiPhone 5cが2年契約を前提に99ドルだったことに対して「高い」と指摘し、iPhone 5cの「c」は「チープ」(Cheap)ではなかったのかとの声も聞かれる。中国市場攻略は、アップルのシェアを大幅に伸ばす数少ない手段だったこともあり、より踏み込んだ、戦略的な低価格モデルを期待していたに違いない。
おそらく来年にはiPhone 5cが2年契約で0円になるとは思うが、アップルが単なる安物を進んで作りたがる企業でないことは衆知の通りだ。それは、iPhone 5cのポリカーボネイトのボディを触れた瞬間に、金属製で性能の高いiPhone 5sと悩むほどの質感を出していることでも分かるだろう。
またテックコミュニティの求める「驚き」の多くの成分は、iPhoneに向けられているものではないことも付け加えるべきだ。噂される「iWatch」など、これまでとは全く違う製品への期待に対して、今回はiPhoneが登場しただけだったことが原因だ。失望がiPhoneそのものに直接向けられているわけではないように思える。
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12:44
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2013年09月04日
「スマホ」持っている高1は8割以上
「スマホ」持っている高1は8割以上…総務省
読売新聞 9月4日(水)8時27分配信
スマートフォン(スマホ)を持っている高校1年生は8割以上に上り、パソコンはあまり使っていないとみられることが3日、総務省の調査でわかった。
6~7月、16都道府県の高校24校の1年生男女3512人を対象にアンケート調査した。その結果、スマホ保有率は84%で、初回の調査だった昨年の59%から急増。1日2時間以上利用する割合も、前回の47%から56%に上昇した。インターネットに接続する場合に「最もよく使う機器」でもスマホが75%に達し、2位のノートパソコン7%を大きく引き離した。
一方で、スマホに入る電話帳など個人情報流出の恐れがあることについて、「知らない」が33%に上った。同省は「スマホが普及するスピードに対して、その危険性については認識が追いついていない」と分析している。
読売新聞 9月4日(水)8時27分配信
スマートフォン(スマホ)を持っている高校1年生は8割以上に上り、パソコンはあまり使っていないとみられることが3日、総務省の調査でわかった。
6~7月、16都道府県の高校24校の1年生男女3512人を対象にアンケート調査した。その結果、スマホ保有率は84%で、初回の調査だった昨年の59%から急増。1日2時間以上利用する割合も、前回の47%から56%に上昇した。インターネットに接続する場合に「最もよく使う機器」でもスマホが75%に達し、2位のノートパソコン7%を大きく引き離した。
一方で、スマホに入る電話帳など個人情報流出の恐れがあることについて、「知らない」が33%に上った。同省は「スマホが普及するスピードに対して、その危険性については認識が追いついていない」と分析している。
Posted by 南国 at
14:59
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